AIのセキュリティはプランと設定次第

AI導入を検討している企業から一番多く聞かれるのが「AIに会社の情報を入れて大丈夫なのか」です。

答えは、契約しているプランと、設定の状態によって変わります。この設定ができているかどうかで、AIは危ない存在にも、より便利な存在にもなり得ます。最も危ないのは、自分たちがどちらの状態で使っているかを知らないまま使うことです。

この記事では、「プランと設定」を確認する手順と、確認できるまでは入れないほうがいい情報を整理します。

AIに情報を入れると何が起きるのか

入力した内容は、プランによってはAIの学習に使われます。学習に使われるというのは、そのまま他人の画面に出るという意味ではありませんが、自社の外に出したことには変わりません。

現場を持つ会社で問題になりやすいのは、この4つです。

  • 顧客・取引先の名前、やりとりの中身
  • 従業員の個人情報(氏名、住所、給与、健康状態)
  • 見積、原価、単価
  • 図面、仕様書、契約書

「名前を伏せれば大丈夫」と考えがちですが、現場の規模や地名が残っていれば、同じ業界の人には見当がつきます。設定がわからない状態で、これらの情報は入れるべきではありません。

まず設定を確認する(3分)

いま自分がどの設定で使っているかを見ます。

  1. ChatGPTを開き、アカウントのメニューから 設定 を開く
  2. データコントロール を選ぶ
  3. 「Improve the model for everyone(すべての人のためにモデルを改善する)」 の状態を見る

この設定がオンになっていると、入力した内容が学習に使われます。オフにすれば、以後の会話は学習に使われません。

ただし、オフにできるのは設定したあとの分だけです。オフにする前に入力したものは、あとから取り消せません。

また、プランによって初期状態が違います。

  • 無料版・Go・Plus・Pro(個人向け) … 初期状態はオン。自分でオフにする必要があります
  • Business・Enterprise(法人向け) … 初期状態で学習に使いません

つまり、個人のアカウントで会社の仕事をしている場合、何も設定していなければ学習に使われています。

気をつけること

① 設定をオフにしてもどの情報でも入れていいわけではありません

学習に使われないことと、データがどこにも残らないことは別です。会話の履歴はサービス側に保存されます。

設定をオフにしても、社外のサービスに預けているという前提は変わりません。取引先との契約で「第三者に開示しない」と定めている情報は、設定にかかわらず入れられません。

② 判断に迷うものは、入れる前に相手に聞く

顧客の情報をAIに入れてよいかは、その顧客との契約によります。自社だけでは判断がつかないことも多いはずです。

判断がつかないものは、入れる前に確認してください。一度出した情報は戻せません。確認する手間よりも、顧客の情報が外に出てしまったあとの影響のほうが、はるかに大きくなります。

③ 設定も規約も変わります

AIサービスは日夜アップデートされており、この記事に書いた設定の場所も、プランごとの初期状態も、変わることがあります。半年後には別の場所に移っていたり、初期状態そのものが変わっていたりする可能性があります。

大事な判断をする前には、そのときの設定画面と利用規約をご自身で見てください。記事や人から聞いた話を根拠にしないことをおすすめします。

次の一歩

社内で使うなら、この3つを決めるところから始めてください。

  1. どのアカウントを使うか(会社が契約したものか、個人のものか)
  2. 入れてはいけないものは何か(この記事の4つを叩き台に、自社の言葉で書き直す)
  3. 迷ったとき誰に聞くか

決めるといっても紙1枚で足りますが、決まらないまま使う人数を増やすと、何かあったときに誰も止められなくなります。この3つを先に決めておくほうが、あとから問題が起きたときの対応がはるかに楽になります。

出典